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「U18高校日本代表に入っていなければこんな気持ちにはなっていなかったで
すね」

 今井は、甲子園優勝後の大会をそう振り返っている。激動のこの夏を最高の
結果で収めた満足感で終わらないところが今井という男なのかもしれない。

 この夏、今井ほど、一気にスターダムにのし上がった選手はいない。
 それまでの今井といえば、気になる投手の一人ではあったが、その細身の体
からも、そして、安定感を欠くピッチングからも、見劣りするというのが評価
だった。

 それを180度変えたのが、甲子園の初戦となった2回戦・尽誠学園戦だった。

「甲子園に行くことが決まった時には、関東地区もそうだったんですけど、好
投手が多い大会だったので、その中で自分の力がどれくらいなのか試せるいい
機会だなと思っていました。チームのモットーでもあるんですけど、下剋上と
いいますか。名前を挙げてやるくらいの気持ちをもっていました」

 ゆったりとしたフォームから投げ込まれる150キロを超えるストレート、そ
して、打者の手元で鋭く曲がるスライダー。それまで“BIG3”と報じてきたメ
ディアが、修正を余儀なくされる快腕の登場だった。

 初戦で快投を見せると、投げるたび、成長の跡を見せていく。準々決勝では
木更津総合・早川との投げ合いを制した。このときの、敵将・五島卓道監督の
言葉が、今井の何よりの成長ぶりを表している。

「6月に作新学院と練習試合をしたんですよ。その時の今井君とは別人でした
ね。あの時はコントロールが荒れたピッチャーでしたから、漬け込む隙はある
だろうと思っていましたけど、そんな隙はなかった」

 今井のストレートは高校2年になってから速くなりだしたという。
 しかし、昨夏の甲子園。今井は県大会ではベンチ入りしながら、メンバーを
外されている。今井には修正すべき課題があったからだった。