ドラフト選手の家庭の事情、柳裕也(明治大) FRIDAY 10月28日号より
http://draft.liblo.jp/archives/5286677.html

「絶対にプロ野球選手になるんだという強い気持ちで、いつもプレーしています。
プロに入っておカネをたくさんもらえたら、女手ひとつで育ててくれた母が喜んで
くれますから」。明治大学のエース・柳裕也が語る。

柳は宮崎県都城市の「志比田スポーツ少年団」に所属し、小学6年の時には全国優勝
を果たした。だが、その直後に父親が交通事故で亡くなってしまう。
「よくキャッチボールをしたり、球場へ車で送迎してくれました。父は野球経験が
なかったので技術的なアドバイスはありませんでしたが、『野球を通じて人への感謝
の気持ちを学びなさい。チームメイトや指導してくれる人に礼を失しないように』と
言われたことを覚えています」以来、柳は幼稚園教諭の母親・薫さん(46)に育てられる。
「母はつらそうな顔は見せませんが、苦労をかけていると思うんです。いつか必ず恩返し
をする。そう決めていました」。

柳は名門・横浜高に進学。高校時代のグラブには「母への恩返し」という刺繍を縫いつけて
いたという。同校の元野球部長・小倉清一郎氏が振り返る。「柳が明大進学を希望した時、
私は反対しました。学費はどうするんだ?と聞くと、父が残してくれたおカネが800万円ほど
あります、と答える。でも明大で4年間過ごせば、寮費など1000万円以上かかります。
私は特待生として授業料などが免除される日体大を勧めたんですが、柳の決意は固かった。
よく聞けば、柳は六大学の舞台に立ちたいと言うんです。母親に神宮で活躍する姿を見せたいと」

薫さんは旅費を貯めては、柳の登板試合を観戦している。小倉氏も上京した薫さんとたまに
顔を合わせるが、よくこう言われるという。「生活はラクではない。でも大丈夫です。
息子が好きなことをやってくれているのが、親としては嬉しい。プロのユニフォームを着て
マウンドに立っている姿を見たら、泣いてしまうかも」