清水誉捕手 芽生えつつある新たな夢「野球を教えたい」
http://www.daily.co.jp/tigers/2016/12/29/0009789254.shtml

 武者震いした。14年開幕戦は伝統の一戦。敵地東京ドームは試合前から、
異様な雰囲気に包まれていた。前年に自己最多39試合に出場した清水は、プ
ロ8年目で初の開幕マスクを託された。しかも尊敬する能見とのバッテリーだ。
正捕手へ、最も近づいた瞬間だった。

 「ああいう経験は他ではできない。幸せだし、ありがたかった」

 結果は原巨人の猛攻に遭い、5回10失点。捕手として責任を痛感した。苦
い記憶として刻まれたが、4カ月後にきっちりリベンジを果たす。8月9日・
広島戦(京セラ)。再び左腕とコンビを組み、勝利すると、2人でお立ち台に
呼ばれた。

 「あの試合、オレも能見さんも途中交代。でもヒーローインタビューに呼ば
れてコイツのせいじゃないと言ってくれて…」

 左腕の気遣いがうれしかった。地元兵庫の小野高、関学大を経て、06年度
の大学・社会人ドラフト4位で入団した。矢野、城島、藤井、鶴岡…。目の前
にはいつも高い壁がそびえていた。正捕手への道のりは険しかったが「チーム
の力になりたい」という一心で、大好きな野球と向き合ってきた。投手の何気
ない言葉が、励みだった。奪三振タイトルを争っていた能見を三振奪取に導く
と「なかなかいいリードやった」と声を掛けられ、久保(現DeNA)のフォ
ークを体を張って止めると「よく止めてくれた」とねぎらわれた。マウンドで
安藤からポンと頭をはたかれたことも、メッセンジャーに抱きかかえられたこ
とも大切な思い出だ。捕手の誇りでもある。