>>213
 繰り返しになるけれど、若い人には夢を持ってほしい。僕は小学生のころ、
特に夢はなかった。途中で練習がイヤで野球を辞めて釣りに熱中したし、プロ
レスブームにハマってタイガーマスクみたいになりたいと思ったこともあった
し…。夢はコロコロ変わった。

 初めてプロ野球選手になりたいと思ったのは中学生のころ。実は広島県立工
業の(当時の)小川監督から「ウチに来ないか」と誘われていた。小川さんか
ら「この子は将来的にプロになる可能性があるかもしれない」と言われて。
「自分にはそんなものがあるのか」と信じ込んで、それなら頑張ろうと思った。

 そこから目標は一本になったけど、挫折の連続だった。高校でも3年になる
までレギュラーになれなかったし、僕よりうまい人間はたくさんいた。もう無
理だと思ったことは何回もある。高校のときも大学になってからも、何度も諦
めかけた。

 プロ野球に入ってからもレギュラーなんて無理だと思った。でもいつ頃から
か、信念に「継続」というものができた。何をやるにも飽きたり、違うことを
やりたくなったりもするけれど、本当に必要ないと断言できる自信があるなら、
辞めてもいいと思う。とにかく、決意したなら続けること。自分にそう言い聞
かせてやってきた。

 自分の実績には全く満足していない。もっとできたと思うし、反省はたくさ
んある。ただ、自慢できるものもある。貫き通したのは食事を含めた体作りと
トレーニング、それから、若いころに自宅でやった打撃練習…この三つはよく
やったと思うし、妥協はしなかった。若いころの自分と今の選手を比較しよう
にも、彼らの日常生活をすべて見ていないので、見えないところは分からない。
生存競争を勝ち抜くには、決意したことを何が何でも継続すること。それは選
手たちに言いたい。