阪神ドラ2小野、線は細いが図太さプロ向き/コラム
[2017年2月4日17時5分 紙面から]
http://www.nikkansports.com/baseball/news/1774366.html

 太陽が照りつける宜野座で「球団席」に座っている葛西稔に声を掛けられた。
「小野はどうだ? ちゃんとやっているか」。東北地区をカバーし、ドラフト
2位右腕、小野泰己の担当スカウトである。新人は若い虎番が取材する。だか
ら、ほとんど接点はないが、先日、印象深い光景を見た。

 1月下旬の鳴尾浜。藤浪がブルペンで投球を始めると吸い寄せられるように、
高卒ルーキー2人が見学し始めた。間もなく通り掛かったのが小野だ。確かに、
チラッと投げている姿を見たのだが、すぐに視線を戻し、何事もなかったかの
ように悠然と歩いていった。プロ入り間もないが、同い年のエース右腕への
「ミーハー」はまるでない。心の強さに触れた気がした。

 新人はプロで生き残れるか「品定め」される宿命だ。だから、スカウトはキ
ャンプも密着し、担当選手をフォローする。「やっぱり気になるね」。親にも
似た心境だろう。かつて阪神で先発の一角として活躍した葛西はいま、自らの
経験を頼りに逸材発掘に力を注ぐ。富士大でプレーしていた小野も、その眼力
がとらえた1人だ。「一番は腕の振り。肘の使い方、速球の質…」。ほれた点
を挙げつつ、いちずさにも共感した。