開幕した金曜日、東京・赤坂の鮨屋に行った。店主は仕事の合間にリモコンを握りしめての
ザッピング(チャンネルを頻繁に切り替えること)…。「(プロ野球開幕の)この季節が待ち遠しかったですが、
今年はお客さんの“感度”が全く違う。“開幕、いつだっけ”っていうの、結構、多いですもの…」。
店主も“熱気”を肌で感じていた。

同席した赤坂の大手芸能プロダクションのK西取締役ら4人で芋焼酎を1升以上も空けた。かなり酔ったが、
野球談義は心地いい。「野球はね、日本人に根付いているんだよ。サッカーのジャパンもいいけど、
野球は老若男女、世代を越えての“共通語”だよ。コミュニケーションのツールとして、これ以上ないね」
とK西取締役は力説した。


テレビの視聴率低下に野球不人気が取りざたされるが、地上波に限定される。
BS、CSにワンセグは、電波の多様化、個人化でいまや、何百万人もが視聴しているのが現実…。
さらに開幕戦はどこもチケットは完売状態だった。不況は底が見えないが、球界は“上昇傾向”にある気がする。

先のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本は世界一の連覇を果たした。“侍JAPAN”が
日本中を歓喜させた。閉塞感漂う暗〜い不況ニッポン。疲れ切った人々に「やればできる」という勇気を
与えてくれた。野球というスポーツがくれた精神的効果は、ある意味大きい。

WBC世界一のリーダーだったマリナーズのイチローが、胃潰瘍(かいよう)で開幕から故障者リスト入りという
代償を払った。「あれ(WBC)が過酷じゃないわけないじゃない」という体を張ったプレーがファンを再び野球へと誘う。
落選組のソフトバンクの松中が快打を放ち、和田が快投…。途中参加の広島・栗原が原監督の前で恩返し弾…。
メジャーリーグも5日(日本時間6日)に開幕。こんなドラマチックがたまらない…。