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大監督 鈴木大地
2017/3/22付日本経済新聞 朝刊

 高3で1984年のロサンゼルス五輪に出場後、進学先に選んだのは順天堂大学の体育学部だ。
推薦入試の実技試験に着ていったジャージーに「JAPAN」の文字があったから、会場は騒然としたらしい。
それもそのはず。当時は実技の科目に水泳がなく、私は多くの受験生と同じようにサッカーで受けたからだ。

 入学後に何人もの同級生から「あのときはびっくりした」と言われた。Jリーグ鹿島アントラーズ監督の石井正忠君もその1人。
在学中は別々の競技で高みを目指しつつ、授業で重なることも多かった。実直で皆の信頼を集める人柄は当時も今も変わらない。

 監督としての雄姿を目の当たりにしたのが、昨年12月のサッカーのクラブワールドカップ決勝。
スペインの強豪レアル・マドリードを追い詰める展開に、世界中が興奮したに違いない。
監督就任後は色々とつらい時期もあったようだが、それを乗り越えて選手を束ね、素晴らしい成果を出した「大監督」だと思う。

 地域密着の成功例でもあるカシマスタジアムを視察した今年2月には、およそ30年ぶりに石井君とゆっくりと話すことができた。
「将来は日本代表監督を」と水を向けると、はっきりとは答えずに穏やかな笑みを浮かべていた。
将来、その日が来ることを期待してやまない。(すずき・だいち=スポーツ庁長官)

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14298290R20C17A3BC8000/