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 「なんか、カッコつけて野球をやっとるみたいだし、クソ真面目そうで好き
じゃなかです。阪神は自分に合っていると思います」

 前年の秋、60年11月20日のドラフト会議で、清原和博(PL学園高)
の“外れ1位”で阪神に指名されたときの第一声だ。

 「阪神のムードが好きなんです。騒ぐときはパーッと騒ぐ。練習するときは
目いっぱい練習する。そんな感じがします。言っては失礼だけど、巨人の試合
は見ていてもおもしろくないです」

 ドラフト会議当日の夜、八代第一高の最寄り駅JR八代駅から約30分、6
駅目の肥後田浦駅近くの自宅で、遠山は大阪から駆けつけたトラ番に囲まれて
取材に応じた。以降、阪神の球団関係者が指名あいさつに訪れたときなど、何
度か取材に訪れるうちに“衝撃の事実”が発覚する。

 「巨人の関係者から『逆指名してほしい』と言われていた。『桑田君(PL
学園高・桑田真澄)を1位でいく。2位で遠山君を指名して投手王国をつくり
たいんです』と言われました」

 ドラフト会議の前に巨人側の話を聞いていた遠山サイドの関係者の一人がそ
う証言したのだ。遠山にも、その言葉は間接的に伝わっていた。しかし、この
“口説き文句”は逆効果になった。

 「遠山は前から巨人は好きじゃなかったけど、あれでよけいに嫌いになった
と言っていました」