高校野球で使われる硬式球の縫い目は「108」と決められている。これは仏教で言うとところの、人間の心身にまとわりつき、かき乱す煩悩の数と同じだ。
そして、早稲田実業の清宮幸太郎がこれまで高校通算最多本塁打に肩を並べ、新記録樹立に挑んだ数もまた「108」である。
考えてみれば、高校1年から注目を集め、衆目にさらされている中で野球を志してきた清宮の2年半は、新春期の高校生なら誰もが抱える煩悩をひとつずつ捨て去っていく毎日だったのではないだろうか(週刊朝日「今週の清宮幸太郎」ノンフィクションライター・柳川悠二)