続き
既に野球が死滅している埼玉では60万人都市の川口市ですら中学野球は絶滅危惧種扱い



― 1年時から試合にたくさん出場できて、“しごき”もない。
これなら確かに、辞める部員が少なくなるのがわかりますね。

田澤「でも、部員100人超ともなれば管理が大変になる。
できることなら智弁和歌山みたいに1学年10人程度の少数精鋭でやりたいと本音では考えている監督さんもいるでしょう。
でも今は学校経営がそれを許してくれない。少子化の影響で生徒数の確保が難しくなってきている私立校にとって、野球部目当てで入学してくる子は貴重なんですよ。
だから入部に制限をかけることを学校側からストップされたりもする。
厳しい練習やしごきで部員をやめさせれば、ネットで悪評が立つ恐れもありますしね」

持木「とはいえ、あと数年もすれば高校野球の少子化問題が顕在化するでしょう。
これは軟式野球部に限った話ですが、日本中体連によると、01年に約32万人いた中学の野球部員は2015年に約20万人まで激減しています」

田澤「中学の軟式野球部は9人そろわず部として成り立たない学校がすでにたくさん出ていて、地域単位で部員を増やす取り組みに乗り出す例も増えていますね。
その代表例が川口市(埼玉)。市内公立中学の軟式野球部の新チームの平均部員数は12人で、“10人以下”のチームが1/4という状況になり、関係者が対策を検討。
少しでも入部のハードルを低くしたり親の負担を減らそうと、川口市中体連野球専門部として市内全域の中学校の軟式野球部に対し、“丸刈り強制の禁止”や“保護者のお茶当番廃止”といった変革案を打ちだしました。
人口60万の川口市でさえこの状況ですから地方はもっと深刻かと」