生え抜きの物語性――軒並み売上記録更新の「鳥谷2000安打」
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/09/15/kiji/20170914s00001000152000c.html

【内田雅也の広角追球】その日のコラムを書いて送り終え、甲子園球場の関係者出入り口か
ら外に出た。ふだんとは違う熱気が渦巻いていた。

 阪神・鳥谷敬が通算2000安打を達成した8日、DeNA戦の試合後、午後10時だった。

 タイガースショップから人があふれている。「入場規制中」の看板を手にした係員が列の最
後尾にいた。午後8時51分の試合終了後に売り出した鳥谷の2000安打達成記念グッズを
求める人が詰めかけていたのだ。Tシャツ、タオル、キャップなど40種類以上が売り出されて
いた。

 球場横のスペース、ミズノスクエアで販売する缶バッジを求める人の波はさらにすごかった。

 阪神では2015年から甲子園での試合に勝利した後、その日のヒーローをあしらった「イ
チオシ缶バッジ」を1個400円で発売している。

 この日はむろん鳥谷で、当日の日付と2000安打をデザインしたバッジを求める列は室内
練習場前の広場で波を打ち、右翼席場外の甲子園素盞嗚(スサノオ)神社前まで伸びてい
た。最後尾では看板を手にした係員が「2時間待ちです」と案内していた。「インターネットで
も購入できます」と告知していたが、同時間帯の球団公式オンラインショップ「T―SHOP」は
アクセスが殺到してつながらない状態が続いていた。結局、日付が代わった9日午前0時半
まで売り続けた。終電時刻が過ぎ、人の波はようやくおさまった。

 球団によると、当日、缶バッジは最多の6265個が売れた。通常1000個程度で、いかに
飛び抜けていたかが分かる。場外の行列は約6000人にのぼった。

 また、翌9日のDeNA戦は満員札止め4万6748人が詰めかけ、記念の鳥谷タンブラーなど
を販売したこともあり、球場内の飲食・物販の売り上げは過去最高だった2014年10月25日
の日本シリーズ第1戦を上回り、新記録(売上高は非公表)を達成した。

 鳥谷2000安打関連グッズの売り上げはショップ、直営店、通販などを合わせ、3日間で何と
1億円を超えた。