絶対誠也がいい!連覇源泉は広島最強スカウトの眼力
https://www.nikkansports.com/baseball/news/201709190000343.html

 広島連覇は、スカウティングの勝利でもある。田中、菊池、丸、安部、西川らの主力野手はいずれも20代。
薮田、岡田、大瀬良ら近年ドラフト上位で獲得した大卒投手も順調に頭角を現した。
中でも顕著な例が、高卒5年目で4番に定着した鈴木誠也外野手(23)で、二松学舎大付時代は投手。
身体能力にほれ込み、野手として獲得した12年の「大当たりドラフト」を振り返って獲得の裏側に迫った。

 いつも冷静な尾形佳紀スカウト(39)の声が室内に響いた。「絶対に鈴木誠也がいいと思います」。
豊作と言われたドラフト会議を2日後に控えた12年10月23日。マツダスタジアム内の球団事務所でスカウト会議が行われていた。

 チームが獲得候補としていた1つが、高校生の遊撃手だった。

本命は甲子園でPL学園・清原に並ぶ29打点を挙げた光星学院・北條(現阪神)。
誰もが認めるスター選手で「遊撃手の能力では北條の方が上」と尾形も認めていた。

 だが、尾形には3年間追い続けた選手がいた。二松学舎大付の鈴木だ。「ユニホームの着こなし、立ち居振る舞いが違う。
立ち姿が格好良く、走る姿もいい。野球センスを感じた。打ち取られると悔しさを態度に出す、何より野球に真っすぐな気持ちがプロ向きだと感じた」。

 2人の評価には大きな開きがあった。外れ1位候補でもある北條に対し、鈴木は3、4位あたり。
甲子園に出場せず、担当スカウト以外はプレーを見たこともない。評価を上積みする試合の映像もなかった。

 それでも尾形は諦めなかった。会議まで1人でこもり、撮りためた練習映像を編集。自作の“誠也ムービー”でアピールした。
フリー打撃での対応力の高さ、飛距離。走塁練習の脚力、バネのある躍動感。その映像で、鈴木のポテンシャルの高さを明確に伝えた。