金本知憲(49)と掛布雅之(62)。世代は違えど似た者同士である。入団はドラフト4位と6位の下位指名。

金本監督のスタートは、猛練習で知られる広島。時には鉄拳制裁も辞さない環境に、「人間扱いされていなかった」と振り返ったこともあった。

掛布監督は、ほぼテスト生の扱いで入団。線が細く、それを補うために来る日も来る日もバットを振りつづけた。
そうした努力があったからこそ、2人は球界を代表する打者へと成長した。

指導者として迎えられた状況も似ている。
金本監督は2015年オフ、「ダメなやつらを叩き直してほしい」との殺し文句の末、阪神の33代目監督に就任。
「あなたの技術、経験を若手に注入してほしい」と、掛布二軍監督が誕生したのも2015年オフ。
ともに三顧の礼をもって迎え入れられたわけである。

ただ、「選手を教える」ことについて、2人には決定的な違いがあった。

金本監督の、とくに二軍における指導の理想は広島時代にあった。猛練習が当たり前で、「練習は裏切らない」を地でいく指導法だ。

対する掛布監督の指導法は、厳しくするより、考える習慣、自主性を重んじた。
根本には「平成生まれの選手に強制的な練習は効果がない。褒めることから始める」がある。
打てなくても、「いいスイングだった。ただ、こうするともっとよくなるよ」というやり方。

そうした2人に、決定的な “事件” が起こった。

「ある試合で選手がミスしたとき、二軍コーチが叱責。すると掛布監督は、『失敗しても積極的にいけ』と選手に言い、逆にコーチを戒めた。
金本監督の希望で誕生した掛布二軍監督だったが、これを伝え聞いたとき、もう二軍をまかせることはできないと判断したようだ」(担当記者)

一方、フロントは掛布監督が身を引くことに頭を痛めている。じつは、ファンの間では掛布監督を支持する声が圧倒的。
辞めるべきは金本監督で、一軍の監督に掛布をという声も多い。

だからこそ阪神は、2018年からオーナー付きのアドバイザーの職を用意して、引き続き球団に留まるよう要請したのだ。