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 「これだけ愛され惜しまれながらやめられるのは幸せなことだし、本当に尊敬する。
兄貴よりすごい数字を残した選手はいると思うけど、そんな人たちに負けないぐらい
引退への反響があった。それは、ドラマのような野球人生だったこともあるだろうけ
ど、何事にも真摯(しんし)に取り組んできたからだと思う。昔は『いい人ヅラして』
とかちゃかされたこともあったけど、兄貴は『ファンあってのプロ野球』と本当に考
えて頑張っていた。そんな姿勢を、みんなが分かってくれたのかなと感じた」

 今年7月のある休日。兵庫県内で兄と昼食の約束をした。店に向かう車中、弟は覚悟
を決めて兄に問いかけた。「もしかして、やめたりしないよね」。「いや…やめるつ
もりよ」。兄の表情を確認した弟は「もう決めたんだな」と確信し、それ以上深掘り
はしなかった。それから1カ月以上が過ぎた9月5日、兄は今季限りでの現役引退を表
明した。

 「もちろん客観的に見たら、まだまだできると思っていたけど、兄貴が決めたこと
だから。若い選手のことを考えて、5年後10年後のカープのことを考えて、身を引く
べきだと決めたこと。もっと子どもの近くにいたいとも言っていたし、自分が何か言
うのもね…」