【中村紀洋の目】プロに入れば指名順位は関係ない 高卒入団で大成した選手の共通点とは

 プロで活躍する上で最も重要なのが対応力だと思います。高校生はまだ体ができていません。これからどんどん成長しますし、焦ることはありません。
プロの投手の球のキレ、打者のスイングスピードはレベルが違います。当然戸惑うと思いますが、フォームをいじったりプレースタイルを根本的に変えようとすると長所が消えてしまいます。
まずは目で慣れること。野手なら目で慣れて実戦でどう対応するかを考えなければいけません。そのために質が伴った練習をひたすら重ねること。そこで自分に合ったスイングが自然と確立できると思います。

 指導者の存在も非常に重要です。これは個人的な考えですが、僕がコーチなら最初は技術的な指導はしません。新人はプロの壁に当然ぶち当たります。
ただそれは誰もが通る道なのです。全く打てずに欠点をわかっていても、最初は言わない。そこでああだ、こうだ言ってしまうと、選手が混乱して持ち味の長所が消えてしまう危険性があるからです。
打てずにどうしたらいいのかわからず悩んだ時に、助言を求めてきます。そこでコーチが支えてあげる。選手が聞く耳を持った状況だと、こちらの助言に対する吸収力も速いです。

 僕は近鉄時代に水谷実雄打撃コーチという恩師がいました。打撃の状態が悪い時もあります。その状況で当てにいかずに、持ち味のフルスイングを貫けたのは水谷さんの教えのおかげです。
大きな可能性を秘めていながら、コーチの助言でフォームをいじって元に戻せないまま輝きを失った選手を何人も見てきました。プロに入った時点で選手の皆さんは素晴らしい素質を持っています。厳しい世界ですが、新しい世代が球界を盛り上げてほしいですね。
https://full-count.jp/2018/11/27/post256437/