中日根尾が二軍で“ワースト”61三振 それでも感心する真意 権藤博

 そういえば……と、中日のドラフト1位新人・根尾昂(19=大阪桐蔭)のことが気になって、二軍での成績を見てみた。
20日現在、50試合に出場して打率.160、61三振。
いずれも、ウエスタン・リーグの規定打席に到達している打者の中ではワーストだというこの数字を見て、「おっ、やっぱり、モノが違うな。これは楽しみだ」と思わず感心した。決して、嫌みでも皮肉でもない。
数字からは、バットを振っているのだな、ということが見て取れる。
目先の結果を求めて、当てにいく打撃をしていない証拠。アマとは比べものにならないプロの投手のスピード、キレのあるボールに苦労しながらも、しっかり自分のスイングをしようとする姿が想像できるのだ。そもそも、三振は「悪」ではない。
 投手の視点で見れば、2ストライクと追い込まれているのに、三振することを恐れず、フルスイングをしてくる打者ほど不気味なものはない。
いまだに「追い込まれたらミートに徹しろ」なんて指導する監督やコーチもいるが、そんなチマチマしたスイングでヒットを打たれたところで、投手は痛くもかゆくもないものだ。
それより、思い切ってバットを振ってくる打者には、ちょっとコントロールを間違えれば一発を浴びる、という恐怖心を感じる。結果的に空振り三振に打ち取っても、その後の対戦では警戒せざるを得ず、腕が振れなくなったり、ボールが先行したりしてしまうものなのだ。
投手からすれば、実は見逃し三振だってイヤなものである。
2ストライクから、甘いストレートを平然と見逃し、スタスタとベンチに戻る打者の後ろ姿からは、同じように不気味な雰囲気を感じる。
要するに、ヤマを張っているわけで、もし狙い球が合っていたら……とここでもマイナス思考が頭をもたげてきたりするのだ。
空振りでも、見逃しでも、三振することをなんとも思っていない打者には怖さがある。