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2日で12万人 30億円超イベント/連載5

>昨年5月、ロンドン開催を発表したMLBコミッショナーのロブ・マンフレッドはいつになく、誇らしげだった。
「スポーツ界でも最も話題性のある、MLBのライバル同士の戦いをロンドンのファンに見てもらえることに興奮している。野球界が発展していくために、能力のある選手たちの試合を直接見てもらうことほど、インパクトのあることはないだろう」。
本格的な欧州進出への第1歩に文字通り、興奮しているかのようだった。
96年のメキシコ以来、日本、オーストラリアなどで公式戦を開催してきたMLBにとって、欧州は長年「未開の地」であり、開発の余地のある魅力十分な領域だった。
MLBはオリンピック(五輪)とは完全に一線を画し、メジャーリーガーの出場は認めていない。これが24年パリ五輪での野球落選の一因ともなった。その一方でワールド・ベースボール・クラシックを運営、主催。テレビ放映権などの収支一切を管理してきた。
これらの観点は、五輪での野球、ソフト復活を願う日本などとはまったく異なる。マンフレッドは「野球界が発展していくため」と大義を掲げつつも、五輪にはほぼ興味を示さない。極論すれば、五輪出場=MLBの公式戦中断=大幅減益という図式は崩さない。
今回の欧州進出にしても、底辺拡大や人材発掘を“錦の御旗”として掲げながら、市場拡大の皮算用があることは指摘するまでもない。野球人気が拡大すれば、テレビ放映権、欧州企業の広告増などが見込める。
来年6月のロンドンでのカブス−カージナルス戦開催を早々と決めたのも、継続して実績を残す事で、企業間との信頼関係を構築する狙いがある。
MLBはすでに、NBAの成功例を参考にした上で、ロンドン、東京、北京、メキシコシティーにオフィスを設置。着々と世界戦略を進めている。各球団の収入とは別で、年間の総収入が3000億円とも言われるMLB機構。そのビジネス感覚は、世界の超一流企業と何ら変わらない。
◆今回のロンドンシリーズのチケットは、発売と同時に完売した。会場のオリンピックスタジアムは、野球用に改装され、約6万人収容。チケットはネット上などで、約2万1500円〜9万5000円で取引され、人気は上々だった。
米メディアによると、テレビ放映権などを含めると、2試合で30億円を超える規模のイベントになった。