「2017年12月、私がスポーツダイレクターの仕事を打診されたとき、三木谷(浩史)会長と話をして、まずスタイルを
確立しましょう、ということでスタートしました。

 親会社である楽天はバルセロナとパートナーシップを結んでいますし、楽天という会社は、自分たちが主導して世の中
の流れを動かしている会社です。だからサッカーでも、自分たちが主導してゲームを進めましょうと。

 これまでのヴィッセルは堅守速攻、どちらかと言えば守備的なスタイルでした。これでは観客もワクワクしません。観客
を楽しませながら、勝つ確率を上げたい。そのためにはポゼッション、自分たちが主導権を握ってサッカーをすることが大
事。せっかくバルセロナとパートナーシップを結んでいるのだから、そこを目指しましょうと話したんです」

今シーズンのヴィッセル神戸もリーグ戦7連敗(公式戦9連敗)を喫した。5月26日の湘南ベルマーレ戦で連敗を脱出し、フィン
ク新監督の下での6月15日の初陣も白星を飾ったものの、シーズン中の監督交代も3年連続。今シーズン中盤まで迷走したこ
とは否めない。うまくいかない中で、三浦SDには諦めるという選択肢はなかったのか。

 「いえ、それはないです。三木谷会長も『ブレずにやろう』『改革には痛みが伴うものだ』とおっしゃっている。その言葉
は、僕にとってすごくありがたい。我慢は必要だけど、ある程度のスピード感も必要なのは事実。スタイルを変えながら、ポ
イントもとらないといけない。これは、本当に難しいことです」

三木谷オーナーのサッカーへの熱い思いを表すエピソードもある。毎日のように三浦SDと三木谷オーナーはコミュニケーショ
ンを取っており、時には食事中にワインを片手に6時間、戦術論をぶつけあったこともあるという。「理想に向かってこのクラ
ブを作っている。オーナーとの考え方の違いも感じない」と三浦SDは強調する。