堤義明もバブル崩壊の波をかぶってはいたが、その事業は安泰であるかに見えた。 だが二〇〇四年、思わぬかたちで、堤王国は崩壊する。 西武グループは法人税を払わないので有名だった。
常に借入金があるため、利益が出ていないことになっていたのだ。西武鉄道は上場していたが、その株の半数近くを持つコクドは非上場で、その三六パーセントを義明が保有していることになっていた。
プリンスホテルや西武ライオンズはコクドの一〇〇パーセント子会社である。 二〇〇四年四月、まず西武鉄道が総会屋に利益供与していたことが発覚し、堤義明は同社会長を辞任した。しかしコクドの会長は辞めなかった。
ところが十月に西武鉄道の有価証券報告書に虚偽記載があったとして、義明はライオンズ・オーナーを含めた全ての役職を辞任すると発表した。
西武鉄道の株主とされている人の多くが名義だけで、実態はコクドが八〇パーセントを超える株を持っていたのである