なぜマエケンのカープ復帰はなかったか【番記者eye】五反田康彦

 広島は日本復帰を公言していた前田に対し、オファーを出さなかった。近年のチーム成績のくすぶりもあり、ファンの間では、戻ってくるのではという期待があった。球団は米国での成績や年齢、今後のチームづくりの観点から、現実的な判断をした。

 37歳で、かつての成績が残せなくなってきた。米大リーグでは2024年は3勝7敗、防御率6・09、25年は0勝0敗、同7・88。マイナーでも結果が出ない。今回、楽天との契約は2年で4億円規模との報道もあった。その水準なら広島では床田や森下を上回る。

 ファンが夢見た理由は、レジェンドの再現だ。15年、黒田球団アドバイザーが米国から広島へ復帰。当時、黒田は大リーグで5年連続2桁勝利中で、広島の球団幹部は断続的にオファーしていた。同時期、成績が落ちていた新井監督も加入。年俸は推定2千万円で、控えから始まった。

 前田は話題性が高く、日本で通用する可能性も十分ある。ただ、来季の広島は若返りの方針。獲得した以上、先発で起用し、その分、若手の出番は減る。前田が米国でプレーした10年、広島球団とのつながりはほぼなかったようだ。人々がスター投手へ寄せるロマンと現実的なチーム戦略との隔たり。それらを含め、縁がなかった。

明日の中国新聞朝刊に掲載されるなぜマエケンに広島カープはオファーを出さなかったかの解説記事