イチロー氏は「監督人事でこれだけ盛り上がるのは松井秀喜以外いない」ときっぱり。「覚悟を感じさせる決断。松井監督を軸にこれからの日本プロ野球が形成されていく、そんなイメージすら抱きます」と最大限の期待感を口にした。

 ―驚いたか。
 「(松井監督の)家族がニューヨークで(就任は)難しいだろうと思っていたので、腰抜かしました。相当の覚悟を持った決断だと思います」

 「ジャイアンツの重厚感、品格、伝統を常に心に置いて行動している。ヤンキース時代もそうだった。この3年いろんな話をする機会があったが、僕とは何もかも違う。松井秀喜もそう思っていたんじゃないですか」

 ―どんなときに品格を感じたか。
 「例えば(会食の際に)僕がデニムの短パンとTシャツの時も、松井秀喜はジャケットを着てくる。『それはお店に対する敬意です』と言う。話を聞けば聞くほど、自分が恥ずかしくなる場面が多かった」

 ―プロとしての姿勢、考え方は一致していた。
 「今のプロ野球、試合中に相手チームの選手と仲良さそうな態度をとったりする。お客さんがあってプロ野球が成り立っていると考えたとき、そんな気持ち悪いシーンはあってはならない。常に真剣勝負で、いつも見られている意識はどんな時代であっても大事。その普遍的な価値観を共有している」

 ―イチローさんの野球チームの主力が抜ける。
 「痛過ぎる。痛恨の極みです。でもあの3年間がなかったら、ここまで(深く)交わることは永遠になかった可能性を考えると感慨深い。僕やチームメートにとってあの時間はまさに宝物だった。チームメートが巨人軍の監督、こんなに誇らしいことはありません」