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人間とAIとの融合を待ちわびているかのよう

AIが人間の知能を凌駕する──。

世界最高権威が唱える未来予想は、世の中に大きな衝撃を与えた。以降、シンギュラリティの是非をめぐる論争は、AIを語るうえで常について回るようになった。

提唱者のカーツワイルは、シンギュラリティに対して、もちろん好意的だ。
先のイベントでも「これからテクノロジーは体内に入ってくる」と語り、脳に電極を差し込むことを少しも厭わず、むしろ人間とAIの融合を待ちわびているようですらある。

カーツワイルは30代で糖尿病と診断された過去がある。
だが科学者としての知見と担当医師と共同で最新治療を行い、テクノロジーによって完治したと主張している。
本当に完治したのかどうかはともかく、70歳の現在まで健常なのは間違いないようだ。

また彼は、若くして死んだ父親に関する資料を、大量に保管している。
将来、父親の遺伝子情報、自身や周囲の人たちとの記憶と照らし合わせ、父親とまったく同じ人格を持つAIの開発を目指しているそうだ。

自身が死亡したときは人体冷凍保存を行い、未来での再生復活を願っている。

エピソードのいくつかは、倫理的にやや危なっかしい面もあるが、得てして突き抜けた研究者とは、自ら率先して体を張り、世間をあっと驚かせるものだ。