シリア駐留のロシア軍に、変化が起こり始めているのかもしれない。
南部シリアの駐留するロシア軍の前で、シリアのミリシアがこれまでとは
意味合いの違うスローガンを叫んだようだ。

彼らはスンニー派のミリシアであり、ロシア軍によって訓練された1000人
程の部隊であり、基本的にはアサド大統領とは立場を異にするのだろうが、
それがロシア軍の前で『シリアは永遠にアサドは打倒しろ』と叫んだというのだ。
このミリシアは今年の1月から結成され、ダラア、クネイトラ、ジャバル・ドルーズ
などを担当することになっている。

もとより、南部シリアを固めているシリア・ミリシアは、反アサドと言われて
きてはいた。その責任者であるアハマド・アウーダは、ロシアの軍高官の前で、
このシリア・ミリシア第5部隊はイランの浸透に反発し、ロシアのシリア支配
に対しても挑戦すると語った模様だ。

ロシアは今、シリアに対して、何を考えているのであろうか。東シリアの
デルズールでは、シリア・イラク国境地帯に駐留するイラン軍を追放する
動きがある。この地域ではロシア軍が、クルド・ミリシアとコンタクトを
取り始めている、という情報もある。

クルド・ミリシアは最終的にクルドの自治を目標としており、反アサドの
立場だが、ロシアはこのクルドの目標を支持するということなのであろうか。
非常に気になる変化ではないかと思われる。

もちろん、ロシアがクルドやスンニー派のミリシアと連携してアサド体制を
追放するのは、アメリカがシリアから撤退することを前提としていよう。
アメリカはシリアを諦める代わりに、アサド体制打倒をロシアに任せる、
ということであろうか。

ロシアはシリアを地中海地域唯一の軍事拠点と考えており、ラタキアの
空軍基地やタルトースの海軍基地を諦めはすまい。あるいは今、ロシアと
アメリカが秘密裏に大きな交渉を始めているのかもしれない。