ベーシックインカムは、それをもらいながら暮らすことで、
「何もしなくていいんだろう。医療費タダだしな。あー、なんて安楽で、充実もしているな。
本当にこれが最高の生き方だ」と思える人がどれほどいるのだろうかという、根本的な問題をはらんでいると思います。
たぶん、そんな人はほぼいないと思うんです。
それが、人間のある種、社会的本能ということなのではないかと思います。
ベーシックインカムをもらうとは、いわば、「自分が社会に対して何も与えることができていない」
と思いながら、社会から一方的に受け取っているという状態です。
労働は、人間という存在にとって極めて本質的なものであり、人間らしくあるための条件でもあると思います。
生活保護受給者が陥っている精神的苦境はこれが満たされないことに端を発している。
ベーシックインカムとして労働をしないでお金だけもらえるとなると、
こうした生活保護受給者の精神的苦境が全国民的に広がっていくっていうことが
起きるんじゃないのかなということを、私は危惧しています。
結局、労働は、所得とは関係なく存在しているものでもあるということですね。
労働は、人間と人間をつなぐものでもある。
つまり、労働を抜きにしたら人間関係がなくなるということが言えると思います。
それに、国家からお金を受け取るということは、まあ、国家によって
まさに飼いならされてしまうという危険性をはらんでいるとも言えます。