「防衛大臣」の今日的重み:第3次安倍再改造内閣発足  Foresight-新潮社ニュースマガジン
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稲田大臣の課題

 こうした中で、首相候補と目される政治家が、鳴り物入りで防衛大臣に就任するのは初めてのことだ。
これは、政策官庁としての防衛省の存在感が高まっていることに加えて、
安全保障問題の比重が日本政治において大きくなっていることを意味する。
安全保障に土地勘のない人物が、日本の舵取りを担うことはもはや不可能ということだ。
また、外務省、財務省、経産省、警察庁と並んで、事務担当の首相秘書官を官邸に送り込むようになるなど、

霞が関の中で地力を増している防衛省としても、将来有望の政治家を大臣に迎えるのは歓迎すべきことだろう。

 直近で稲田新大臣が判断を迫られるのは、政治家として毎年続けている終戦記念日の靖国神社参拝についてだ。
中国の王毅外交部長は駐日大使時代に、日本の総理大臣、外務大臣、官房長官は靖国参拝すべきでないと述べたが、
重要閣僚とみなしていなかったからか、防衛大臣には言及していない。
そもそも、戦没者追悼という内政問題について、中国が口を差し挟むこと自体が論外ではあるが、
自分達で引いた線の外側の防衛大臣が仮に参拝したとしても、批判するのはお門違いだろう。

 もちろん、防衛大臣としての課題も山積している。
内閣改造当日にノドンとみられる中距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮、
尖閣水域に軍艦を侵入させた中国(http://www.fsight.jp/articles/-/41292参照)への対応だけでなく、
普天間基地の辺野古移設を始めとした沖縄問題、現在唯一のPKO(国連平和維持活動)派遣先である南スーダンの情勢悪化など、
安全保障問題には一日の休みもない。
こうした宿題を1つ1つ片付けていけば、史上初めての防衛大臣を足掛かりにした総理総裁という道も開けるのかも知れない。