「ミスタージョージア」第2部�B
作.手ぶらの乞食

10、9、8、7、6…ロケット発射までのテンカウントが始まった。

緊張は一気に高まりモニター室に集まったカーネル博士らは、固唾を飲んで見守った。

イチローの額からじっとりとした汗が滲み出る。

3、2、1、0

ドゴオォォ〜〜〜〜〜〜!!!!

ロケットエンジンが火を吹き、轟音と共に水素ガスが吹き出す。

ロケットは中に浮き瞬く間に空を引き裂いて、疾風の如く飛んで行く。

ロケットの先端に位置するイチローの頭部に推進圧が掛かり、頭が割れそうだった。
頬は、はためく国旗の様にバタバタと揺れ、こめかみの血管が浮き彫りになる。

と、その時、歯をくいしばるイチローに異変が起きた。「ブシッ!!」

鼻血が放射状に吹き出し、眼前の特殊ガラスが血しぶきを浴びて赤く染まった。

イチローは気を失った。

ヒューストンのモニター室は騒然となった。カーネル博士の顔が凍りつく。

大気圏を抜ける迄の間にイチローが出欠多量で死亡する可能性も否めなかったからだ。

しかし大気圏 を抜けなければ音信は不通のままでイチローの安否は定かではなかった。

重たい空気の中、チーム全員は祈る様な気持ちで大気圏を抜けるのを待ち続けた。

つづく。

https://youtu.be/Gf1h2PMPCAo