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【道元禅師と『阿含経』】
当時、大乗仏教こそが真の仏教であるということが、あまりに当然であった日本仏教界では、『阿含経』は、いわゆる「小乗仏典」に属するというので、総じて低い扱いを受けていたことは否めません。
しかし、道元禅師がその『阿含経』への評価というのは、なかなか複雑です。複雑というのは、大まかなことを言えば、いわゆる初期から中期にかけての道元禅師の著作からすれば、
『阿含経』は評価が低く、晩年書かれたと推定されている12巻本『正法眼蔵』には、明らかに『雑阿含経』『増一阿含経』などから文章を引用して提唱しておられる「四馬」「帰依仏法僧宝」巻などがあります。
しかし、それ以外の、いわゆる75巻本『正法眼蔵』では、かなり強く批判しているところもあります。