>>354
したがって、この記事の文章を論理構造として分解すると、

A:破壊的カルトという概念は専門家も使用している。
B:その概念はオウムのような重大犯罪集団だけを意味しない。
C:一定の支配・欺瞞・自由の制限などもその特徴になり得る。

ここまでは学術的資料によってかなり支えられます。

しかし、

D:張氏の共同体にはそれらの特徴が存在する。
E:したがって張氏の共同体は「破壊的カルト」である。
F:さらにCTはその共同体を「母体」とする。

となると、これはまったく別途の立証を必要とします。

そして本件の名誉毀損訴訟で本当に重要なのは、むしろD・E・Fでしょう。

もう一点、記事の書き方として気になるところがあります。記事は西田氏の見解を紹介した直後、

「『破壊的カルト』という言葉には、犯罪を犯すといった極めて高度の反社会性は求められておらず」

と続けています。

文章だけを速く読むと、これ全体が西田氏自身の判断であるようにも読めます。しかし記事を文法的に正確に読むと、これは西田氏の見解そのものとして引用しているのではなく、西田氏の見解を根拠として根田氏側が行っている反論です。

したがって、より中立的に書くなら、

「被告は、西田氏が示す破壊的カルトの特徴などを根拠に、同概念には必ずしもオウム真理教のような高度の犯罪的反社会性は必要ではないと主張している」

くらいが適切でしょう。

要するに、この段落については、「破壊的カルト=オウム級の犯罪集団に限られるわけではない」という根田氏側の一般論には学術的根拠がある。しかし、それは張在亨氏の共同体を破壊的カルトと認定する根拠とは別である、という二段階をきちんと分ける必要があります。

そして裁判として見るなら、私は「破壊的カルトという言葉の辞書的・学術的意味は何か」以上に、根田氏側が西田氏の挙げる各特徴を張氏の共同体について具体的証拠でどこまで立証できるのかが核心になると思います。