• 個の独立性と全体性の融解
量子もつれにある粒子は、それぞれが独立した個でありながら、全体として一つのシステムとして振る舞う。親鸞の「一人がため」に引き剥がされたはずの「この私」もまた、阿弥陀との量子もつれ(他力の関係)に組み込まれた瞬間、ちっぽけな個人の輪郭を超越して、無限の仏智のネットワークへと接続される。
物質の最小単位が示す「どんなに離れていても一瞬で結ばれる奇跡」は、鎌倉の草庵で孤独に業を見つめた親鸞が、絶対他力の中に見た「時空を超えた救済の蜘蛛の糸」の物理学的翻訳にほかならない。