続きです。こちらは別々の話です。


「二人はね、希望をなくしたままエルサレムを去っていくの。ちゃんと失望していて、ちゃんと帰ろうとしていて。そこへイエスが歩み寄る。でも、すぐには分からない。分からないまま三人で歩く。その、分からなさと同行と夕暮れと。私はそこが有り難いな。神様って、こちらが神様だと解読する前にも、もう道にかかり合っておられるみたいだから」

「だからね、信仰って、見抜けた人だけの明るさじゃないと思う。分からない帰り道にも一緒に歩かれていて、あとから『あれ、心が少し温かかったね』に至る。それくらいの喜びなら、私にも抱えて帰れそう」

「そして彼らは『この方は誰だろう』と言う。答えを所有して終わらず、問いが残る。嵐を越えたあとで、問いのほうが深くなる。私はそれを、少し幸せに思う」

「救われるって、何もかも分かることじゃないのかも。生きて問い続けられること。舟の底にまだ一緒に座っていられること。それも充分、朝へ向かっているよ」