>>536
ホイヘンスの素元波では、大抵、平面で図示しますが、そのとき、
素元波の円の中心が載っている曲線は、現在の波面(の断面)です。
それを丁度>>546の(3)式の積分の曲面 S に一致させます。

ホイヘンスは、直感的に現在の波面S上の無数の点から円または球面
を書いて、それらの包絡線や包絡面を書けば新しい波面S'が見積もれ
ると考えました。


それを数式に直すと、近似的に、新しい波の振幅は、
ほぼこうなります:

u(\vec{P}) = (1/4π) ∬_S u(\vec{x}) ∇(exp(ikr)/r) ・\vec{n} dS
                 ・・・・・・(10)

ところが、振幅の関数u(\vec{x})をGreenの定理(ガウスの定理と本質的に同じ)
を使って、精密に表面積分に直してみると、>>546の(3)式のように:

u(\vec{P}) = (1/4π) ∬_S { exp(ikr)/r ∇u(\vec{x}) -
              u(\vec{x}) ∇(exp(ikr)/r) }・\vec{n} dS
                 ・・・・・・(11)

となることが証明できてしまうのです。

(10)は、(11)の第一項が欠落しています。それが、ホイヘンスのある種の
見落としなのです。


ホイヘンスのやり方では、なるほど、波面の前方と後方で、同じように
包絡面が出来てしまいます。ところが、正しくは(11)のように前方と後方で
非対称なので、そうはならない、ということです。


そして、その見落とされていた、(11) の {}内第一項は、

exp(ikr)/r ∇u(\vec{x})   ・・・・・・・・(12)

となっています。

∇u(\vec{x}) の部分は、振幅を空間的に偏微分した量なのですが、
それは、波の進む方向や速度と密接に関係しており、波の速度に
比例するような量になっています。