自由空間において光の速度は一定でないことが、初めて証明される 2015.01.27

グラスゴー大学などのチームが、光子(フォトン)の形状を変えて減速させる実験に成功した。自由空間における光の速度は一定でないことを初めて証明するものだ。

グラスゴー大学などの研究者チームが、自由空間(物質が存在しない空間)を移動する光を減速させることに初めて成功した。
これまで、真空中の光の速度は、一定不変の物理的尺度とされてきたが、今回の結果はその前提を揺るがすものだ。

研究チームは、光子(フォトン)を液晶マスク装置に通して形状を変化させ、形状が変化していない光子と速さを競わせる実験を行った。
その結果、形状が変化したほうの光子は、1mの移動距離において最大20波長分の遅れが観測された。
これは、光が自由空間において減速しうることを示す初めての実験結果だ。

自由空間中の光の速度は、秒速2億9,979万2,458mであり、この速度は一定不変とこれまで考えられていた。
光は、水やガラスの中を通過する間は減速するが、通過した後は再び光速に戻る。
しかし今回の実験では、光子はマスクを通過した後も、やや減速した状態を維持した。

「構造化した光ビームにわれわれがもたらした遅れは、1mの伝搬距離で数マイクロメートルと小さい。しかし、それは有意な遅れだ」と、研究の筆頭著者のひとりであるダニエル・ジョヴァニーニは述べる。

ただし重要なことは、この実験結果が短距離にしか適用されない点だ。
研究チームは、光ビームの生成に用いるレンズが大きく、また光の移動距離が短い場合に、減速の効果が最大になると説明している。
すなわち今回の研究結果は、宇宙の仕組みに関するわれわれの基本的理解にまで変化をもたらすことはないが、光に関する従来の理解には変更を迫るものだ。

https://wired.jp/2015/01/27/speed-of-light-slowed/