ノーベル賞に近かった? 甘利俊一氏のAI研究は「眠り姫」
www.nikkei.com/article/DGXZQOSG23BCZ0T21C24A0000000/

人工知能(AI)技術の基盤となった甘利俊一・東京大学名誉教授による1972年の論文は、
眠り続けて王子のキスで目覚めた「眠り姫」に相当する――。

甘利氏がノーベル賞を受賞できなかった背景を、
東京大学の大学院生の東出紀之氏と友清雄太氏らが論文の引用された状況などを分析した。


ホップフィールド氏に先立ち、甘利氏がニューラルネットワークの学習機能を高める手法を発表した。
選考したスウェーデン王立科学アカデミーはその論文を重要な先行研究として取り上げている。
このため研究者の一部に「受賞者に甘利氏が入っていてもおかしくなかった」との指摘が出ている。

技術経営戦略を専攻する東出氏らは、科学出版大手のエルゼビアが保有するデータベースを利用し、
特に注目されている72年の甘利氏の論文と82年のホップフィールド氏の論文を対象に被引用件数の推移を調べた。

23年までの被引用数は甘利氏の272件に対しホップフィールド氏は1万2830件と約47倍の差があった。


甘利論文の被引用数は発表後20年近く数件と低調だったが、90年に12件と初めて10件を超えて引用されるようになった。
ホップフィールド論文に注目が集まったことがきっかけとみられる。

甘利論文を引用した論文の約66%がホップフィールド論文を引用していたが、
ホップフィールド論文を引用した論文で甘利論文を引用している論文は1.4%にとどまった。