>>58
そして問題のブラウブリッツ秋田の新スタジアム公設案は、現時点ではかなり弱い。
秋田県の委員会資料では、5,000人規模でも整備費は約142億円。仮に秋田市が単独で整備する場合、建設中は毎年約4〜8億円、整備後15年間は維持管理費と公債費で毎年約5億円程度の負担増が見込まれる。しかも秋田市自身が、市単独では困難で、原則として新たなスタジアムの維持管理費は負担しない整理をしている。

つまり、需要と収益はクラブ側に強く依存するのに、資本コストと長期リスクは公に持たせたいという構図なんです。
これが厳しく見られるのは当然です。サッカーだからではなく、投資スキームが弱いからです。

ここでよく出る反論が、
「じゃあロッテや楽天も同じだろ」
というやつです。
でも、ここも雑にまとめると失敗します。
結論から言うと、同じ「公の施設をプロが使う」でも、中身はかなり違うんです。
千葉ロッテのZOZOマリンは、千葉市の評価シートで令和6年度の来場者数が約236万人、施設稼働率は90.7%。しかも市の指定管理料支出は対象外、つまり指定管理料を市が出していない運営です。これは「完全民営だ」と言いたいわけではない。そうではなく、少なくとも現状の運営は、集客と稼働でかなり成立しているということです。だから「ロッテも公施設を使ってるじゃん」は半分正しいけど、秋田の新スタジアム案の免罪符にはなりません。規模も回し方も違うからです。

楽天はもっとわかりやすい。
宮城県の個別施設計画では、宮城球場について楽天野球団と県がフランチャイズ基本協定を結び、毎年都市公園施設の管理許可を与えて使用料を徴収していると明記されている。さらに文科省のスタジアム・アリーナ改革資料では、維持管理・修繕や改修投資を球団側が負担する代わりに営業権を取得するスキームが紹介されている。加えて、宮城県のネーミングライツ契約は年2億100万円です。
つまり楽天モデルは、税金ゼロの神話ではないけれど、民間側が腹をくくって、維持管理や投資、収益化まで深く背負っている。ここが大きいんです。秋田の新スタジアム公設案と同列に「野球も同じ」は、正直かなり無理がある。