xy平面上で中心(a,b),半径r>0の円周の方程式は(x-a)^2+(y-b)^2=r^2 となる.
これの長さと直径の比率を求めよう.
直径は2rなので,あとは円周の長さを求めて2rで割ればよい.
ひとつの方法は,y=±(r^2-(x-a)^2)^(1/2)+b,-r+a<=x<=r+aで長さを求める積分式でやればよい.
±の部分をそれぞれ計算して二つ足したものは2∫_{-r+a}^{r+a}(1+y'^2)^(1/2)dxであり,
適当に変数変換して2rで割り整理すると円周率が2∫_{0}^{1}(1-x^2)^(-1/2)dxになることがわかる.
これは広義積分なので函数の収束の議論がいる.
もうひとつの方法は x=rcos(t)+a, y=rsin(t)+b で変換すること.
ただしcos(t)=農{n=0}^{∞}(-1)^n*x^(2n)/(2n)!, sin(t)=農{n=0}^{∞}(-1)^n*x^(2n+1)/(2n+1)! で定義される.
明らかにcos(0)=1,sin(0)=0.
どちらの級数も広義一様収束することを利用し,微分計算を簡単にできる.
cos(t)をtで微分すると-sin(t)になり,sin(t)をtで微分するとcos(t)になり,cos(t)^2+sin(t)^2=1が成り立つ.
この性質からcos(t)もsin(t)も同じ周期を持つ周期函数になることがわかる.
その最小の周期を仮にTとしよう.
x=rcos(t)+a,y=rsin(t)+b は,0<=t<Tの範囲では同じ組み合わせにはならず,(x-a)^2+(y-b)^2=r^2のどこかの点に必ずなる.
このparameter表示で0<=t<=Tの範囲で長さを求めるとrTになる.
円周率はT/2になる.cos,sinの周期の半分こそ円周率になることがわかった.
sin(t)は0<=t<=T/4の範囲で1:1になるのでその逆函数を考えられる.
円周率は2sin^(-1)(1)と表すことができ,sin^(-1)の冪級数で計算できる.(証明は必ずしも易しくはないがこれも省略)
級数と広義積分で解釈できた.