>>28 補足
https://staff.aist.go.jp/t-yanagisawa/13dan.html
『天野君は十三段』 T. Yanagisawa (『燦想見』平成19年) AIST: Electronics and Photonics Research Institute
(抜粋)

一つの例を紹介しよう。以前、NHK ラジオで放送していた講演会で、 数学者の広中平祐氏が話していたことである。
まだ、 代数多様体の特異点の解消を解決する前のことであるが、 日本で開かれた学会において講演する機会があった。
そこで特異点の解消問題について現状を語り、 今のところ特異点解消はできていないけれども、このような仮定をおいたら示せるかもしれない、 あるいはもっと別のことを仮定すれば証明できるかもしれない、 ざっとこんな感じことを話した。
ところが、それに対して代数多様体の専門家ではない数学者が異議を唱えた。 その数学者とは岡潔であったが、 岡潔は『あなたの方法では問題を解くことはできない』と断言した。
岡は続けて 『あなたのようにいろいろな仮定をおいてはかえって問題の見通しを悪くする。 問題というものは、一番解きたい理想的なものを考えれば自然と解けるものである』、 というようなことを言った。
広中さんはその頃は特異点解消のトップランナーであったから、高名な数学者とはいえ、 この分野では素人に厳しいコメントをされてかなり気を悪くしたのであったが、 後日そのように仮定を減らしてみたら確かに問題が解けたということであった。