ご存知、大村 智先生、ノーベル賞の前だね
https://www.katokinen.or.jp/msg/msg_from_omura.html
大村 智先生 | 公益財団法人 加藤記念バイオサイエンス振興財団
https://www.katokinen.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2014/06/msg_from_omura.pdf
若手研究者へのメッセーシ 北里大学特別栄誉教授 大村 智
(抜粋)
「至誠天に通ず」
私が微生物と「出会った」のは、修士課程修了後、間もない頃のワインの研究中であった。
その後、それまでに学んだ化学と微生物学とを融合した研究へと入っていき、抗生物質の
研究を続けていくなかで、構造的にも生物活性の面でも多様性豊かなマクロライド抗生物質
に興味を持った。その後、微生物の専門家をはじめ、多くの異分野の研究者と共同研究を
積極的に行った。そして、そこで得た知識や経験から、微生物と化学という異質なものを融
合させた研究ができたことによって、次々と微生物由来の新しい化合物を見つけていくこと
ができたのだと思っている。
研究者としての基礎は師について学んだことから始めることにはなるが、模倣ではその師
止まりである。そこに自分自身のオリジナリティーを加えて、新たな分野を開拓していくことが
重要だと思う。
ノーベル賞を受賞したシドニー・ブレナーは著書の中で「科学を前進させるのに最も適し
た人物は、他の分野から参入して来た人物である」と記述している。彼自身、RNA の研究を
して優れた成果を挙げた後、彼にとって異分野であった「線虫」の研究に取り組み、賞を得
た人物である。その言葉は「無知でいることの
価値」と「知りすぎることによる弊害」を、如実に
言い表していると思う。ブレナーは線虫の研究をする際に、線虫に効果のある化合物の論
文を発表していた私のところにも討論に来ている。研究に関連する情報を貪欲に収集する
姿勢には見習うべきものがある。
私の研究室では微生物代謝産物から発見したり、
合成したりした化合物で製品化された
物質も少なくないが、これらの成果は自分たちの研究室だけでは容易に達成できなかったも
のであり、共同研究先との連携によるところが大きい。
つづく