黒川
(略)
ですから下の体が有限体だったらおそらくゼータ関数に関わるほとんどの問題は解決しているのだと思います。
Spec Z みたいだと下の体が普通にはないと思われるので、苦し紛れに一元体 F_1 なんていうことを言ってみたりするわけです。
それでうまくいくだろうと思っているのが結構な人数いるのが現状ではないでしょうか。
文元
その意味では、従来型のスキーム論からいかにして脱却するか、つまり「脱スキーム論」という立場を確立するかが今後の数論幾何学にとって重要なことなのではないでしょうか。
その関連で言うと、例えば最強の望月新一さんによるABC予想に関する仕事、正確には彼が「宇宙際幾何学(Inter-Universal Geometry)」と呼んでいる枠組みも、その一つの試みだと言えます。
望月さんは従来型のスキーム論的数学を「正則構造」として定式化し、そこからのズレを把捉する理論、つまりタイヒミュラー理論の類似のようなことをしようとして、あのような大きな枠組みを構築するに至ったわけですから。