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AGT対応
http://ci.nii.ac.jp/naid/110010032654
CiNii 論文 - AGT対応 : 予想から証明へ: 瀧 雅人 Taki Masato 理化学研究所理論科学連携研究推進 日本物理學會誌 71(1), 6-15, 2016

抄録

遠い未来の論文誌が手に入り,問いの数々への解答が垣間見れたならば,と夢想された事のある方は少なくないのではないだろうか?
もちろんこのような事は不可能だが,双対性という不思議な性質は,しばしば「未来の知識を垣間見る」ような感覚を引き起こす.
二つの異なる理論が同じ物理を記述しているとき,それらの間には「双対性」(duality)がある,という.ひとたび非自明な双対性が発見されれば,伝統的な手法の射程を大きくこえて理論を理解する事ができる.
実際AdS/CFTに代表されるような様々な双対性の発見が,近年の弦理論の発展を牽引してきた.
そして2009年,Alday,Gaiottoおよび立川は,超対称ゲージ理論に関する,全く新しいタイプの双対性を発見する.
それが本稿の主題「AGT予想(AGT対応)」である.

この予想における主役は4次元時空中のN=2超対称理論と,それに付随して定まる2次元の共形場理論であり,それらの分配関数と相関関数が厳密に一致するというのが,彼らの予想である.
この数十年の研究により,どちらの理論も,量子効果と対称性による拘束が競合した結果,とても非自明な形で解けてしまう理論である事がわかっている.
その両者が実は密接に関係しているという事実は,その物理の重要な「何か」がいまだに理解されていない事を示唆する.これまでにAGT予想に対する数多くの拡張やチェックがなされ,この予想は広汎な理論たちの間に対して成立している一般的な性質だと考えられている.
特にGaiottoの発見したクラスSというグループに属した4次元理論であれば,AGT予想が成立している証拠がある.

つづく