>>868
[第1段]:有理整数の全体Zは1を単位元に持つ可換環である。a,b∈Z について、3|a または 3|b とする。
1):3|a のとき。定義から、aは3の倍元だから、a=3c なる c∈Z が存在する。
また、Zに属する任意の3元は通常の乗法・について結合則と交換則を満たす。
従って、ab=(3c)b=3(cb)=3bc∈Z で、bc∈Z から、ab は3の倍元である。つまり、ab は3の倍数である。
2):3|b のとき。同様に、bは3の倍元だから、b=3d なる d∈Z が存在する。
従って、1)と同様に考えると、ab=c(3d)=(c3)d=(3c)d=3(cd)∈Z で、cd∈Z から、ab は3の倍元である。
1)、2)から、確かに 3|ab。
[第2段]:a,b∈Z について、3|a でもなく 3|b でもないとする。
3):3|(a-1), 3|(b-1) のとき。1)と同様に、或る m,n∈Z が存在して、
a-1, b-1 に対してそれぞれ a-1=3m, b-1=3n。また、Zは通常の加法+の二項演算について
0を単位元とする加法群である。そして、Zに属する任意の3元は通常の加法+と乗法・の
各二項演算について分配則を満たす。従って、1)と同様に考えると、
ab=(3m+1)(3n+1)=(3m+1)・3n+(3m+1)・1=(3m)(3n)+3n+3m+1=9mn+3m+3n+1=3(3mn+m+n)+1。
有理整数の大小関係から 0<1<3 であり、Zに含まれるイデアル(3)において
0と3とは整数の大小関係について互いに隣合う元だから、3|ab ではない。
4):3|(a-1), 3|(b-2) のとき。1)と同様に、或る m,n∈Z が存在して、a-1, b-2 に対して
それぞれ a-1=3m, b-2=3n。従って、3)と同様に考えると、
ab=(3m+1)(3n+2)=(3m+1)・3n+(3m+1)・2=(3m)(3n)+3n+(3m)2+2=3(3mn+2m+n)+1
であり、0<2<3。更に3)と同様に考えると、3|ab ではない。