>>150 つづき

Raussen and Skau: 貴方は明らかと言いますが、多くの数学者達はこれを気付かなかった?
グロモフ: 全くそのとおり。彼等は定理を証明していたが、正則曲線を見なかった。正則曲線をある観点で見るならば、代数幾何学を経験に持つのだから、明らかだ。いったん代数幾何学を分かれば、同じことと気づく。
私達は、しっかり確立された理論を持つ複素解析学と代数幾何学という偉大な科学を持つ。これらの事柄が何であるかを知り、違いが無いと分かる。これのある部分を使うのみだけだが、高度の一般性で使う。
それから、かなり長い間ドナルドソン理論を再現するために、それを使おうと努めたが、うまく行かない技術的要点があるので私は出来なかったことを白状しなければならない。実際、4次元でケーラーであるという障害と似ていた。
私はピエール・ドリーニュと語って、ケーラーではなく、しかもある不快な性質を持つであろう複素曲面の実例があるかどうか、彼に訊いた。彼はあると言って、そんな実例を示した。そのうちに、私はシンプレクティックな場合に立ち戻って、非常にうまく行くことを実感した。
そして再度、どこへ行くべきかをいったん分かれば、状況は非常に簡単だった。とても簡単だったので、ドナルドソンによる前例のみしか無いから、うまく行けると信じることが困難だった。そんな数学がその種の結論を与えられると言ったのはドナルドソン理論だった。
ドナルドソン以前には決して起こらなかったし、とても心強かった。さもないと、ドナルドソン理論がなかったら私は多分うまく行くと信じなかったであろう。他にも、アーノルド予想(1960年代の終り頃にDima Fuksから学んだ)、1970年代に開発されたYasha Eliashbergのシンプレクティック剛性のアイデア、Conley-Zehnder定理によって、私は準備が出来ていた。

つづく