>>50 つづき

ヴェイユ
それは制度の問題か。雰囲気の問題か。

SSS
これは雰囲気の問題だ。しかし制度のよくない例もある。

ヴェイユ
どんな制度にもよくないところはある。そしてある制度のために直接被害を受けた人はその制度を悪くいうもので、その気持ちは一般的に理解されうるものだ。しかし同じ程度に被害をこうむっても、その原因はさまざまであることがある。たとえばある人がナチの収容所に放り込まれて・・・(この例は日本人にはよく理解できないと考えたのか、まもなく別の例に変る。)
たとえばある人が何の罪もないのに裁判にかかり、判事の誤判のため2年間禁固されたとする。また、他の人は病気のためそれだけの期間安静を強いられるかもしれないし、また別の人は医者の誤診のためそうするかもしれない。
どの場合でも2年間動けなかったのいう事実は同じだが、その受け取り方はあ場合場合で異なり、しかもなぜ異なるかをわれわれは理解することができる。
だれも細菌の悪口は言わないが、まちがえた判事や医師のことは非常に悪く考えるだろう。
しかもその場合でも、医師と判事とでは、悪く感じ方が違う。
それは、そもそも判事は誤判しないことを期待されて、またそうできると考えられているからだ。

 ヴェイユの長広舌がえんえんと続きます。
(引用終り)