沢口 昭聿先生
”函数要素の空間は通常の三次元空間とは別の構造をもつ.
後者は唯一の連結した全体をなすが,前者は無限に多くの二次元の層に分かれる.各層はそれ自身では連続的に連結した全体をなすが,お互いには結びつかない4)」”
は、層の視点か
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kisoron1954/5/4/5_4_156/_article/-char/ja/
数学に於ける抽象の必然性 沢口 昭聿 科学基礎論研究 Vol. 5 (1962)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kisoron1954/5/4/5_4_156/_pdf
(抜粋)
リーマン面は学位論文では,はっきりした形で述べら
れてなく,唯第5節で,簡単に複素平面の上に幾重にも
重なった面を考え,その上に変数を動かすことを述べて
いるだけであるが,・・・

これはワイルの言によれば,彼が同時代の
人々に対して余りに異常な表象を要求する事を欲しなか

った為に,わざわざ真の意味を隠していたものとされて
いる.彼は,一般的にそうであるが,特に代数函数の研
究に於て,閉リーマン面を先ず考えて,その上の函数と
して代数函数を定める.この様にリーマン面を函数論の
第一の地盤とする彼の方法はやはりワイルの見方が正し
い事を示すものと言えよう.

リーマン面はリーマン自身
よりもワイヤーシュトラスのarlalytisches Gebildeに
よって精密化された.

解析接続により得られる函数要素の全体を解析函数と呼んだ.
更にこれに分岐点と極を加えたものをanalytisches Gebilde と呼んだ.
このことは函数関係で結ばれる二つの変数w とzを一つの複素数のパラメーターtの整数巾の巾級数(負巾の項は有限個)で表わし,w=P(t),z=P'(t)とし,wとzを夫々tについて接続して得られる対(w,z)の全体を考える事である.
(w,z)はやはり函数要素と言われるが,wとzは解析的性質が接続により変らない故に初めの函数関係は常に保存されている.
従って,analytisches Gebildeにてはzとwの区別,即ち解析函数ではまだ保たれていた独立変数と従属変数の区別が廃棄されて,全く同等に取扱われていることがわかる.
従って,それはwとzの函数関係それ自身を客観化したものである.

つづく