芽の文献を検索していると、下記辻元先生PDFが(^^;
このPDFが何者(大学の講義とか?)で、いつなんのために書かれたのか? 結局分らなかったのだが
あとの、”SGCライブラリ 94 臨時別冊・数理科学2012年10月 「複素多様体論講義」”との類似は感じるね
http://www5f.biglobe.ne.jp/~inamoto/math/manifold/complexmanifold.pdf
複素多様体論 辻 元
(抜粋)
1 予備知識
1.1 はじめに
複素多様体論は、難しいと言われる。 実際、複素多様体論は実に広範な
知識を必要とする。 可微分多様体論、多変数関数論、微分幾何学、偏微分
方程式論、関数解析学、代数幾何学など全てを勉強しようとすると気が遠く
なりそうに思う人も多いであろう。
しかしながら、実は大半の部分は初等的であり、それ程広範な知識は必要
としない。基本的には複素多様体から得られる、有限次元ベクトル空間に、
複素多様体の性質を投影させることで大半の定理が得られているのである。
つまり、コホモロジー群という多くの学生にとって苦手な対象さえ、自由
に使いこなせれば、大半の理論は理解可能である。
邪魔なコホモロジーを消したりするには、 ̄ ∂ 方程式を解くことになるが、こ
れも、線形代数における連立方程式を無限次元に素直に一般化したものに過
ぎない。例えばラプラス作用素が自己随伴であるということは、行列がエル
ミートであることと同じで、無限次元という鎧を着けているために立派な理
論に見えているだけである。
近年の複素解析幾何学の発展により、複素多様体論の性質は、多重劣調和
関数の理論や正則領域の理論に見られる凸性に多くの事柄が帰着することを
指し示しているように見える。
「全ての道はローマに通ず」ではなく、全ての道は擬凸性に通じるのであ
る。実際、多変数関数論の研究は擬凸性の研究から始まったのであって、岡
潔のレビ問題の解決(1954) などを見ても、表立ってコホモロジーの概念を使
わずに議論がなされて来た。

つづく