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つづき

まず 70 年代に二つの書があげられる。
大熊正『圏論(カテゴリー)』1979 年
竹内外史『層・圏・トポス』1978 年
大熊正の本は槙書店の数学選書の一冊であったが今日手に入らない。
竹内外史の名高い本は現在もプリント
を重ねる。これらに先立って圏を主題とする単行本はない。
圏論の教科書としては大熊正の本が最初と言えようか。
著者は序で日本は圏論に冷淡だと嘆いていた。今日の状況を見たら何と言うだろう。

雑誌に目を移すと,「現代数学」にカテゴリーの記事が見られる。
倉田令二郎,カテゴリーを学ぶ,現代数学 1977 年〜1978 年
森毅,集合のカテゴリー,現代数学 1971 年
また「数学セミナー」臨時増刊号の『数学 100 の発見』1972 年において 100 番目の発見として「カテゴリー・ファンクター」の項があり,その執筆者は井関清志である。

60 年代に移り,圏が扱われている数学書を拾ってみよう。
服部昭『現代代数学』1968 年 「圏とホモロジー」の章あり
日本数学会編『岩波数学辞典第2版』1968 年 「圏と関手」の項目あり
永田雅宜『抽象代数への入門』1967 年 「圏と関手」の章あり
小松醇郎・中岡稔・菅原正博『位相幾何学 I』1967 年 「圏」の語あり
河田敬義・大口邦雄『位相幾何学』1967 年 「圏」の語あり
松村英之『集合論入門』1966 年 「圏と関手」の章あり
彌永昌吉・小平邦彦『現代数学概説 I』1961 年 「Category と functor」の節あり
『岩波数学辞典』の初版は 1954 年であるが,そこにカテゴリーもホモロジー代数も見られない。
学会誌「数学」の 米田信夫,Universality について I , II , 数学 1961 年,1962 年
を見ると,category の訳語として「対象系」が使われている。

つづく