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つづき

■「数学」とIT戦略に隔たり

政府のAI戦略案がここまで挑戦的な内容になった背景には、日本の科学技術政策における2つの「失策」への反省がありそうだ。

1つは、これまで日本は産業におけるIT(情報技術)の重要性は訴えつつも、その基盤である数学と産業との連携がおろそかになっていた点だ。

「経済産業省はこれまでITの重要性を喧伝(けんでん)する一方、工学系の研究者と交流するばかりで、数理系の研究者へのアクセスがほとんどなかった」。経産省情報技術利用促進課の中野剛志課長はこう率直に反省する。「今後は文部科学省と連携し、数理へのウエートを高めていく」(中野課長)。

IT産業の隆盛を誇る米国のコンピューターサイエンス(計算機科学)は伝統的に数理科学の研究との結びつきが強い。例えば米グーグルを創業したセルゲイ・ブリン氏は大学でコンピューターサイエンスと数学の双方を専攻している。

https://www.nikkei.com/content/pic/20190416/96958A9F889DE6E1E1E5E5E0E5E2E2E7E2E6E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3285672011072018000003-PB1-2.jpg
グーグルの創業者セルゲイ・ブリン氏(右)とラリー・ペイジ氏

同リポートが指す「数学」は、純粋数学、応用数学、統計学、確率論、さらには数学的な表現を必要とする量子論、素粒子物理学、宇宙物理学なども含むとしている。AIなど専門領域のプログラマーの能力は数学により飛躍的に高まるとし、数学は破壊的なイノベーションを起こすための普遍的かつ強力なツールになるとうたう。

つづく