>>593

例えば、地震学は理学ですが
グリフィスの破壊の理論は、材料の破壊として、地震学に先行して、工学で随分研究されてきました(工学が取り入れる前は、物理学の弾塑性力学でしたが)
http://home.c02.itscom.net/m-ohnaka/book_earthq_physics.html
地震発生の物理学  
大中康譽・松浦充宏著, 東京大学出版会刊行
http://home.c02.itscom.net/m-ohnaka/images/4130607367.jpeg
(抜粋)
地震学は120年の長い歴史を持つ学問であるが,上述のような地震学上の中心的課題に解決の糸口が与えられるように なったのは,ごく最近のことである.

今日ではすでに常識化している「地震の原因は断層運動である」という共通認識が 確立されたのは,食い違いの弾性論(ディスロケーション理論)が地震学に導入された1960年代以降のことである. 同じ60年代には,プレートテクトニクス理論の出現により,「地震はプレートの相対運動によって生じた弾性歪みエネルギー を間欠的に解消する過程である」という共通認識も確立された.

こうした基本的理解に基づき,1960年代後半から 80年代にかけて,様々な運動学的震源モデルが提案され,断層運動に伴う地震波の放射や地殻の変動が計算される ようになった.しかし,これらの運動学的モデルは,地震が発生し始める場所も時刻も,破壊が伝播する速さも,停止する 場所も,すべてあらかじめ与えられており,物理的因果律に基づく予測可能性を何も秘めていないモデルであった.

この問題の解決の糸口は,1980年代以降に行われた 岩石の摩擦すべり破損(固着すべり)に関する室内実験によって与えられ,剪断破壊実験を含むその後の一連の岩石実験 により実証されてきたものである.
剪断破壊過程を支配する物理法則は,本書の中心テーマの1つであり,詳しい内容は 3章にゆずるが,これは亀裂の進展に伴う物体のエネルギー収支に着目したグリフィスの破壊基準を,剪断破断面形成の 物理過程として表現し一般化したものということができる.

つづく