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つづき

その直後,
ガルニエ,シュレジンガーらは, リーマンの思想を実行に移して,モノドロミー保存的変形を研究し,そ
のような変形が非線型微分方程式によって記述できること, とくに 2階単独方程式の変形の場合にはそれ
がパンルヴェの発見した 6種類の方程式に帰着できることを明らかにし,パンルヴェ超越函数の背景に
リーマンの問題が横たわっていることを示 したのであった。
これらは今世紀初期の解析学における重要な達成であったが,難解な深い理論として敬遠され,半世紀
に及ぶ長い間,半ば忘れられていた。

(2) 統計力学における2次元イジング模型。
強磁性の最も簡単なモデルである2次元イジング模型は,オンサーガー によってその自由エネルギ
-の厳摩解がつとに与えられていたが,その相関函数の厳密解は1970年代車ごろに T.T.ウー, B.マッコイ
らのグループによって初めて成し遂げられた。彼らは 2点相関函数の厳密解を,多重債分の無限級数
の形で正しく求め,さらにそれがオンサーガ-理論で与えられている臨界温度の近傍でのいもゆるスケー
ル極限において,上記に述べたパンルヴェ超越函数の一つ (V型)によって閉じた形に表わされることを
見出した.これは 2次元イジング模型について,オンサーガ-以後30年ぶりに得られた決定的な結果であ
って,申請者らの研究の出発点となったものである。
申請者は,共同研究者佐藤および神保とともに, ウーらの結果にパンルヴェ函数が現われた著しい事実
の根拠を省察し,結局その事実の背後には場の量子論とモノドロミー理論の間の予期されなかった一般的
関係の存在することを見出すに至って,これをホロノーム量子場の理論として体系づけたものである。そ
の応用として, ウーらの結果を拡張して 2次元イジング模型のn点相関函数を厳密に求めたほか,場の量
子論における2次元のフェダープッシュ模型のn点グリーン函数, 1次元不透過ボーズガスのn粒子密度
行列,等がいずれもモノドロミー保存変形理論にもとづき拡張された意味のパンルヴェ型多変数超越函数
として厳密にかつ閉じた形で求められた。(参考論文〔7〕〜〔15〕,〔18〕)

つづく