メモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52940440U9A201C1000000/
数学の力で世界を変える 東大発ベンチャーのアリスマー
科学記者の目 編集委員 滝順一
滝 順一 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員
2019/12/16 2:00日本経済新聞 電子版
(抜粋)
「これから世界を変え日本を支えていくのは数学に基盤を置く企業だ」と、Arithmer(アリスマー、東京・港)の大田佳宏社長は話す。同社は人工知能(AI)技術を利用した画像認識や自然言語処理、ビッグデータ解析などを通じ、企業のサービスや生産性向上に役立つソフトウエアなどを開発する。
大田社長は東京大学で教べんをとる特任教授で数学や物理学の博士を社内に多く抱える。現実社会のニーズと数学を結びつけ、稼げるビジネスとアカデミックな数学研究を両立させるのが夢だ。

「自分でも驚いた。できるとは思っていなかった」と大田社長は打ち明ける。紳士服大手のコナカと共同開発した「AI画像採寸アプリ」のことだ。体の前後左右からスマートフォンで撮影した4枚の画像をもとに肩幅や胴回りなどオーダーメードのスーツに必要な採寸が正確にできるというサービスだ。
普段着のままで撮ればよい。

コナカの湖中謙介社長から依頼された当初は「直感的に無理かも」とも思ったそうだが、様々な数学を駆使した結果、誤差1センチ以内で採寸できるアプリができた。サービスを始めてから1年以上たつが仕立てたスーツのサイズが合わずに返品になったケースはないという。

「人間は五感に基づく経験から判断するが、五感だけでは理解が及ばない世界がある。そうした世界を切り開くツールが数学だ」と大田社長。
ミクロの原子や遺伝子の世界、あるいは巨大なデータが織りなす情報空間。人間の経験則が及ばない世界を相手にするとき、数学と数学世界を可視化できるコンピューター技術が力を発揮する。

アリスマーは9月に豊田通商と資本業務提携した。豊田通商関連企業の工場でAIによる品質検査を行うため技術開発を進める。工場における熟練の検査担当者不足に対応しコスト低減や安全性向上につなげるのが狙いだ。

つづく