>>771
つづき

――日本企業は変化に対応できるでしょうか。

「20世紀を振り返ると、日本は組織で新しい発見を生み出してきた。たとえばトヨタ自動車では上層部の指示を待たずに現場で不具合を見つけて解決する仕組みを生み出した。一方、米国のテーラー方式ではホワイトカラーとブルーカラーが分離し、上の指示に下が従うだけだった」

「日本にテーラー方式が本格的に入ってきたのが00年代で、正社員から非正規に切り替えた時期と重なる。現場は上に言われたことを肉体労働としてこなすだけになった。組織や人間関係のなかで知識を生み出して利益をあげるという日本の成功モデルが崩れてしまった」

「日本、もっと世代交代進めよ」

――日本の資本主義のあり方をどうみていますか。

「株主や金融機関から資金を調達して事業をするべき企業が貯蓄主体になっている。これは資本主義ではない。もともと日本企業は株主への配当よりも事業投資を優先し、借り入れ過剰の状態だった。バブル崩壊後は逆に過剰に後ろ向きになり、負債を返し終えても投資をしなくなった」

「日本はもっと世代交代を進めるべきだ。将来何が起こるか分からないところで、投資してうまくいけばリターンを得る仕組みが資本主義だ。失敗したら結果責任をとるべきだが、不確実なことに対して責任を取る人がトップでなければ世代交代が進まず、社会が停滞する」

つづく